2023年度の全国企業倒産は9年ぶりの9000件台に 運輸業は3年連続で前年度を上回る

ECのミカタ編集部

2023年度(令和5年度)の全国企業倒産9,053件

株式会社東京商工リサーチ(以下:東京商工リサーチ)は2024年4月8日に「全国企業倒産状況」を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

全国企業倒産件数は9年ぶりの9000件台

2023年度の全国企業倒産(負債額1000万円以上)の件数は9053件(前年度比31.5%増)、負債総額は2兆4630億7800万円(同5.9%増)となった。

※画像元:全国企業倒産状況(株式会社東京商工リサーチ)

件数は、2年連続で前年度を上回り、2014年度(9543件)以来、9年ぶりの9000件台。負債総額も2年連続で前年度を上回り、2年連続で2兆円を超えた。負債100億円超の中堅企業が19件(前年度比46.1%増)と1.4倍に増えたことが、全体を押し上げる要因の一つとなった。

一方、同1億円未満は6723件(構成比74.2%)と、依然として小規模倒産を中心に推移。産業別では2年連続で10産業すべてで前年度を上回った。増加率は資材価格の高止まりや人件費上昇、人手不足が続く建設業が1777件(前年度比39.4%増)で最大という結果に。

※画像元:全国企業倒産状況(株式会社東京商工リサーチ)

運輸業は3年連続で前年度を上回る

産業別件数は、2年連続で10産業すべてで前年度を上回った。

最多はサービス業他の3028件(前年度比34.8%増)と2年連続で前年度を上回り、2009年度以来14年ぶりに3000件台に乗せた。

建設業1777件(同39.4%増)と卸売業1048件(同27.0%増)、製造業1006件(同25.4%増)が、それぞれ2年連続で前年度を上回る。円安基調が続くなか、資材高や仕入コストの上昇の一方、価格転嫁が進まず、資金繰りに影響を及ぼしたことが要因と考えられる。

また、燃料価格の高止まりが続くなかで、人手不足や2024年問題を間近に控えた運輸業が441件(同25.6%増)と3年連続で前年度を上回り、9年ぶりに400件台に乗せた。

※画像元:全国企業倒産状況(株式会社東京商工リサーチ)

負債額上位5社の状況

本調査における、負債額上位5社は以下の通り。

◆パナソニック液晶ディスプレイ(株)/兵庫県/IPS方式液晶ディスプレイ製造/5836億円/特別清算
◆ユニゾホールディングス(株)/東京都/純粋持株会社/1261億9800万円/民事再生法
◆(株)ガイア/東京都/パチンコ店経営/943億5500万円/民事再生法
◆FCNT(株)/神奈川県/携帯電話端末販売/872億円/民事再生法
◆ジャパン・イーエム・ソリューションズ(株)/兵庫県/携帯電話端末製造/613億円/民事再生法


全国地区別でも15年ぶりに9地区(北海道・東北・関東・中部・北陸・近畿・中国・四国・九州)全てで前年度を上回る結果となった。「2024年問題」などの状況を踏まえると、当分厳しい状況が続くと考えられる。今後の動向に引き続き注目しつつ、対策を講じる必要があるだろう。


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