通販化粧品市場が停滞?打開すべき作戦とは【総合企画センター大阪調べ】

ECのミカタ編集部

5年間の平均成長率は…1.3%増?

 株式会社マーケティング・リサーチ・サービスの株式会社総合企画センター大阪が通販化粧品の市場について調査を行い、その結果が公開となった。2014年度の通販化粧品市場は、前年度比1.2%増の3,257億円である。販売高は過去最高を更新し続けているものの、この5年間の平均成長率は1.3%増にとどまっており、市場の停滞感が鮮明になっている。

 さらに近年は、異業種企業をはじめ、外資系・制度系・セルフ系の化粧品企業が相次いで参入したことにより、新規顧客の争奪戦は激しさを増した。参入各社においては広告出稿を増やしても従来のように新規顧客を獲得できず、逆に出稿を減らせば売上を大きく落とすというケースが目立っている。

 通販化粧品市場の停滞感を打開すべき、主要各社はこの1~2年で主力ブランドを相次いでリニューアルし、商品力の強化に努めている。また、定期購入制度やポイントプログラムなどの各種サービスを、既存顧客をより優遇する内容へと刷新し、LTVの向上を図っている。こうした各施策の導入・刷新が一段落したことから、2015年度(見込)は3%程度の成長が期待される。

 主要企業の今後の取り組みは、テレビや新聞といった従来型のマス広告だけでは顧客に効果的にアプローチすることができないとして、顧客との共感型コミュニケーションやコンテンツマーケティングへの関心が高まっている。また、これまでは主に新規顧客の獲得のためのツールだった「LINE」を、リピート促進のためのツールとして活用するという動きが見られる。

 さらには、自社通販だけでなく、アマゾンやロハコのような他社の総合通販サイトへ出店し顧客との接点拡大を図る企業や、通販チャネルの受け皿として直営店舗の出店を加速させ、自社通販サイトとの相互送客を進める企業もみられる。この他、外国人観光客のインバウンド需要を取り込むため、比較的リスクの低い越境ECの本格展開の準備も始まっている。

 化粧品をECサイトで購入する人の割合が想像よりも低い。現在は、ファッションアイテムから日用品まで何でもECサイトで購入することができる時代となった。だが、化粧品に関してはまだそこまでECサイトを利用して購入する人が少ない。やはり、化粧品に関しては「美容の専門家にアドバイスをもらいながら選びたい」という気持ちがある。とはいえ、同じ化粧品を購入するときはECサイトで購入した方が、価格が安かったりクーポンを利用したりすることができる。それを狙って接客すると、通販化粧品市場は伸びていくはずだ。さらに、美容の専門家としている人にアドバイスをサイトに記載すると、それを見ながら化粧品を購入する人が増えていくだろう。


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