【初級向け】EC担当者なら知っておきたいSNS運用

ECのミカタ編集部

 商品のPRのためにSNSを始めたが、中々効果が出ない。運用において効果が出ないが何が間違っているかわからない。そんな悩みを抱えているECサイトもいるのではないだろうか?

 そんなみなさんの悩みを解決されるために今回、SNSマーケティング事業を専業とするアライドアーキテクツ株式会社 マーケティング事業本部 新井辰宏さんにお伺いした。

 ECにおける効果的なSNS運用とは、どのようなものなのだろうか。売上に繋がっていく運用の仕方を解説していく。

SNSの効果的な運用とは?

SNSの効果的な運用とは?アライドアーキテクツ株式会社 マーケティング事業本部 新井辰宏さん

 あなたのECサイトはSNS運用をしているだろうか。何のために運営しているのだろうか。最終的には売り上げを上げるためだと思うが、広告をかけずに運用している場合、SNSは直接売り上げにはつながりにくいのが現状である。それにもかかわらず、運営しているが売り上げが上がらない、と声をあげているECサイトも少なくはない。

 もし、売り上げに直結させたいのであれば、SNS広告あるいは検索連動型のリスティング広告など費用をかけて広告を出稿した方が効果的である。なぜなら費用はかかるが効率的に商品が購入される可能性が広告をかけない通常のSNS運用よりも高いからだ。リスティング広告はキーワード検索で「商品を欲しい」と思っている人や「悩みを解決したい」と思っている人などニーズが顕在化している場合に効果的な手法と言われている。

 一方「Twitter」「Facebook」「Instagram」などといったSNSを利用している消費者は特定の商品を買いたいと思って使っているわけではない。これについて新井さんはこう語る。「SNS経由のラストクリックの数字を見て“売れない”と判断するのは間違っています。なぜなら商品を探すためにSNSを見ているわけではないからです。」と。リスティング等の広告と比べるとやはり直接的な効果は見られないだろう。しかしSNSの特性を理解できていないとSNS経由でのラストクリックを見てしまいがちだ。または、リーチやいいね!やクリック数など間接的な指標でしか見ていない人が多いのが現状である。

 ただSNSユーザーには、これから商品に興味を持つ可能性や商品を買う可能性は大いにある。SNS運用を行うことによって得ることができる効果は、商品の購入に繋がる可能性のある顧客、つまり潜在層を増やすことである。潜在層にアピールすることによって知名度をあげていく、更に潜在層自体も増やしていくことができるのがSNSなのだ。

それぞれのSNSの特性を知る

 では、潜在層を少しでも多く増やして、最終的には売り上げを上げていくためのSNSの運用の仕方のコツとは、どのようなものなのだろうか。それを伺うと「誰がつながっているのかをしっかりと分析し、その人に向かってどのような情報・投稿を発信していくのかを設計していくことです。」と新井さん。

 SNSを運用する上で、まず自社商品のターゲットは誰なのかを理解することが重要である。そして求めているターゲットとSNSでつながれているのか。つながれていたらその人たちが興味を持つような内容を投稿できているか。つながれていないとすればどうすればつながることができるのか、しっかりSNSごとの特性を把握し使い分けていくことがSNSを効果的に運用するための鍵になってくるだろう。

 そこでEC事業者にも多く利用されている「Twitter」「Facebook」「Instagram」のSNSの特性を解説していく。

Twitter
 自分からツイートしたり、リアルタイムで行われていることなどを検索したりと能動的に使われることが多いSNSである。他のSNSと比べて拡散力はNo.1を誇る。

Facebook
 友人やいいね!した企業の情報が、自動的に流れてくるため受動的に利用されるSNSである。そのため、Facebookでは潜在的なユーザーにコミュニケーションを通して商品・サービスを訴えかけることかできる。ユーザー数、企業利用ともに世界最大級の規模だ。

Instagram
 画像・動画を介したコミュニケーションの場であるため、感覚的な使い方をする人が多い。世界観や好きなモデルの日常の世界感を切り取ったようなものを見て感覚的に楽しまれている。そのため「○○%OFF」といった広告色の強い投稿は好まれない。

比較表で見る、SNSの特徴

比較表で見る、SNSの特徴SNS比較表。文章はTwitterとfacebookとInstagramを中心に触れたが、こちらの表はLINEも含まれている。
是非、ダウンロードしていただき、活用いただきたい。(http://goo.gl/dErlmN

 これからはSNSだけで商品を購入してもらおうというよりも、マーケティングの施策の一環として、自社商品との接点を増やすことで商品認知を広げ、ECサイトへ送客し購買へつなげるといった橋渡しの目的で運用するのがよいだろう。そのためにも前章で述べた“SNSごとの特性を把握し使い分けていくこと”が欠かせないポイントとなってくる。各SNSの特性やどのようなユーザーが利用しているか、あなたは知っているだろうか。詳しくは上記SNS比較表を参考にしていただきたい。(アライドアーキテクツ社 提供)

 現在においてSNSという存在は、無視できない存在になってきた。移動中の電車でも、ちょっとした空き時間でも人々はスマートフォンを見てSNSを開く。そんな時代にSNSを使ったマーケティングを行うのは自然な流れであるが、運用の仕方を間違えると効果が得られないものになってしまう。

 しかし逆に考えると、SNS運用もECサイト運営において立派な集客手段である。ただ認識しておくべきなのは、通常のSNS運用で大きな売上に繋げることは難しく、あくまで認知を広げ潜在層を増やす目的として利用するものということだ。そのためにはまず、各SNSの特性を理解し、正しい運用を続けていくことが成功の要因となるだろう。


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