EC業界でも進むAIの業務代替、68%がポジティブ評価【エン・ジャパン調べ】

ECのミカタ編集部

最近、話題性が高い「AI」。もし、AIが自分の仕事を代行してくれるとしたら…。ECを運営する上で、一部でAIの力を借りる事例も出てきている。ではその全てをAIに任せることができたら、喜ばしいことなのだろうか。今回は、エン・ジャパン株式会社が実施した「今後の仕事への不安(AIに代替される仕事)」の調査を基に考えていく。

AI登場で人間にしかできないことが明確化!

AI登場で人間にしかできないことが明確化!

 35歳以上のミドル世代に「人工知能(AI)の発展によって、今ある仕事がなくなる恐れがあることをどう思うか」と尋ねたところ、68%がポジティブ(良いと思う+どちらかと言えば良いと思う)に捉えていることが判明した。その理由として、「新たな職や産業が生まれるから」、「AIに任せる仕事と人間がすべき仕事が明確に線引される」などが挙がった。一方、「悪いと思う」と回答した人は「失業者が増え、経済の悪化に繋がる」といった声が多かった。なお、コメント(一部)は以下の通りだ。

【「良いと思う」と回答したコメント(一部)】
・人間は今まであった仕事を失いながらそのたびに新しい仕事を創出している歴史がある。仕事がなくなる恐れがあるため技術の発展を妨げるのであれば、現代の生活様式もすべてなくして200年前の生活に戻ればいいという理論になる。(38歳/女性)
・仕事における人間と人工知能との棲み分けが更に進んでいき、それに伴い人間にしか出来ないことが明確化される。人間が今までにない新たな領域を切り開いていくことで、新たな仕事が生まれていくと考えるため。(40歳/男性)

【「悪いと思う」と回答したコメント(一部)】
・失業率の更なる上昇、AIはあくまでも機械なので、故障や異常が発生した場合のリスクが高いと思うから。(36歳/女性)
・限られた人しか仕事に就けなくなる。働きたくても条件が合わず就職したくても出来なくなると思います。(48歳/男性)

 なお、人工知能に代替されない職種に関しては、「営業・マーケティング系」(47%)、「経営・経営企画・事業企画系」(45%)、「クリエイティブ系」(42%)となった。一方、最もポイントが低かったのは「事務・管理系」(9%)であった。

EC運営における様々な作業をAIが行う

 EC業界でも実際にネットショップ運営における業務を代行するAIが登場している。その一つに、株式会社マージェリックが運営する「bambooshoot(バンブーシュート)」がある。これは、「オープンデータ(モールのランキングや巷の価格情報)」や「ネットショップが持つ定量データ(売上やアクセス)」、「ネットショップのシステム利用状況(行動パターンやスケジュール)」を収集、分析、学習し、売り上げ予測や取り組むべき施策の提案、A/Bテストを自動化するAIだ。

 今まで時間がかかっていた業務、または忙しくて手が回らなかった業務を、AIが代行して行う。これによりリソースに余裕ができ、商品の企画やプロモーションなど、店舗の独自性を出す施策を行うことができるようになり。なお、bambooshootは、楽天市場やYahoo!ショッピングとの連携で、多店舗展開にも対応している。

bambooshootのさらなる詳細はこちらへ

 bambooshootの他にも、Web接客などの分野で活躍しているAIは多い。簡単な問い合わせや営業外時間には、人間に代わってAIが対応する。これにより、対応漏れを防ぐことができ、ユーザーに「いつまで経っても対応されない」という嫌な思いをさせることはないだろう。全ての作業をAIに任せるとなると、調査でも見られたように「仕事がなくなる」という不安もあるかもしれない。しかしその分、人にしかできない仕事にリソースを割いたり、新しいことを始めたりする機会と考えることもできる。何より、慢性的に人手不足傾向にあるEC店舗運営においては、すでにAIは役立つことが分かっているため、今後も活躍の場は増えていくはずだ。その中で、人がそれをどう良い機会に変えていけるかが重要になってくるだろう。


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