物流業界、競争激化の波に突入か ユーザーサービス向上目指す二社

ヤマト運輸と佐川急便が新施策考案 より安心便利な独自物流サービスへ

昨日の弊誌ニュースで佐川急便とヤマト運輸が一括受託サービスを展開し、しのぎの削り合いの体を奏している旨ご紹介したが、早くも両社が新たな取り組みを見せ始めた。

~~~参考ニュース~~~
佐川急便の物流コントロール 大型商業施設の物流を一括受託
http://ecnomikata.com/ecnews/detail.php?id=3433

佐川急便と株式会社リバリューはリバースソリューション分野(返品物流等の整脈物流分野)における業務提携を結び、返品商品の価値向上と再流通を促す物流業界初のワンストップサービスの構築と提供を行った。
サービスの概要は、商品の在庫管理や入出庫から返品回収、返品、滞留商品の検品と再流通までをワンストップで構築し提供するというもので、ユーザーの抱える物流課題の解決を目指す。佐川急便は、在庫管理、入出荷オペレーションノウハウ、効率配送、回収網など「物流ソリューション」機能を提供し、リバリューは、適正なプライシング、豊富な流動化ネットワーク、検査検品ノウハウなど「リクイデーション」機能を提供する。
このサービスで、事業環境変化への素早い対応やコストの最適化などのメリットを提供する。

一方ヤマト運輸は、ネット通販向けの商品決済サービス「クロネコwebコレクト」をバージョンアップし、最短5日の入金サイトに加え「定期販売・頒布会対応機能」と「商品交換・返品対応機能」の追加で通販事業者向けの売上拡大サポートサービスの提供を開始した。
「クロネコwebコレクト」はECの決済手段から入金管理機能、精算までを一括して提供する決済サービス。支払いが確認された代金は最短5日後に通販事業者への入金が可能なため、資金繰りや企業規模等の心配なく利用可能となる。今回上記2つの機能が追加されたことにより、購入者には購入後の返品交換でも購入時のクレジットカードを使い精算が可能となり、通販事業者には商品購入後の交換や返品のニーズに応えることで信頼感を上げられるなど、各者にメリットがある。

ユーザーの「満足」で取引が終了するという感覚へ

以前であれば「売る」までが勝負であり、売ってしまえばそこでそのユーザーとのやりとりが終了していた。しかし、ECの急成長とともにそれでは運営が不可能となり、物流面やアフターサポートの面でも実店舗同様かそれ以上のクオリティが求められるようになってきている。そのようなユーザーの欲求を支える面で、物流業者によるユーザーサポートサービスの切磋琢磨も必須となり、ユーザーからも通販事業者からも「選ばれる」存在になり淘汰される局面に突入している印象を受ける。
過剰なユーザーサポートによる悪質なクレーム増加など、プラスではない懸念も増えなくはないが、ユーザーの満足が最終的な着地点だとしたら、そこに至る可能性を上げるための施策はこれからも増えていくだろう。今後も引き続き、コストを削減しメリットの増える新しいサービスのリリースが楽しみである。