トレンドExpressが約33億円の資金調達 グローバル成長に向け投資を強化

ECのミカタ編集部

トレンドExpress、シリーズCラウンドでグロービス・キャピタル・パートナーズ、JICベンチャー・グロース・インベストメンツ、DNXVenturesなどから約33億円の資金調達を発表

中国を中心とした越境ビジネスプラットフォームを展開する株式会社トレンドExpress(以下:トレンドExpress)は、グロービス・キャピタル・パートナーズ株式会社をリード投資家として、その他複数企業からシリーズCラウンドの資金調達を実施することを公表した。

越境ビジネスプラットフォームの成長加速に繋げる

トレンドExpressはこれまでに約12億円の資金調達を実施しており、今回のシリーズCラウンドにより、累計資金調達額は約45億円となった。

今回の資金調達は、主に以下の3点を目的としている。

◆プラットフォームの拡大に向けたテック投資

▷越境ビジネスプラットフォーム事業の強化を目的としたシステム開発投資の実施。

◆多彩なタレントの強化

▷データ解析技術やプラットフォームビジネスを拡大するためのエンジニアリング人材、事業成長を促進するための事業家人材、経営基盤強化を図るためのコーポレート人材の採用・育成の強化。

◆中国に加え、さらなるグローバル展開を加速

▷中国メインランドのビジネスに加え、グローバル市場開発の強化。

アフターコロナでの事業拡大

アフターコロナでの事業拡大

トレンドExpressは、インバウンド顧客の需要予測ツールの開発、中国消費者に向けたPRサービスの提供、越境ECプラットフォーム事業を開発し、事業の立ち上げ期から2019年まで年平均200%以上の売上成長を続けてきた。

しかし、2020年の新型コロナウイルスのパンデミックにより、売上の60%の構成比だったインバウンド需要売上は消滅。コロナショック後は、アウトバウンド領域(中国現地法人向け事業、越境EC)に積極的に舵を切り、クライアント価値の最大化と事業成長に注力していた。

ソーシャルコマース事業など新たな独自サービスや事業の開発を進め、2021年はコロナ前の売上の約3倍の成長を達成し、2022年以降も成長拡大が見込まれている。

日本経済活性化に向けた外需の取り込みを図る

近年、「失われた30年」と称されるように、日本経済の長期停滞が続いており、経済大国としての国際的な競争力の減退が懸念されている状態だ。

一方で、世界ではアジアを中心に経済成長がさらに加速していくことが予想されている。今後日本の優れた商品・サービスを評価し、買い求める生活者の需要を取り込むことは、日本経済活性化において重要な要素となるだろう。

トレンドExpressは、日本経済の活性化にむけた外需の取り込みを図るべく、祖業であるデータ解析の技術を軸にした越境ビジネスプラットフォーム事業を通じて、日本企業のグローバルビジネスを支援するとしている。

すでに中国市場において、企業の生産活動と生活者の消費行動をデータ解析し、最適な需給バランスにもとづく事業活動を支援・推進する実績がある。このような背景からも、今後トレンドExpressは、日本ブランドの成長に大きく貢献することが考えられるだろう。
 

日本の世界的成長へ貢献

今回の資金調達にあたり、トレンドExpress代表取締役社長CEOである、濱野智成氏は以下のように述べている。

「このたびは、先行き不透明な世界経済や厳しい金融市況下にも関わらず、当社のビジネスやチームを評価・信頼、そしてご期待いただいた投資家の方々に心より感謝いたします。当社のようにグローバルにチャレンジする事業にはリスクも伴いますが、挑戦なくして結果は得られません。いかなる逆境も乗り越え、日本発のグローバルベンチャー企業として、日本の人口縮小課題の解決や日本の世界的成長への貢献に向けて、引き続きチーム一同で全力を尽くして参ります。本資金調達を1つの武器にして、国境の先に新常識を生み出すプロダクトやソリューションを開発・提供して参ります」

コロナを機に再拡大したグローバルEC市場の中でも、中華圏市場は300兆円を越える超巨大市場だ。しかしながら、市場変化の早さから、外資企業にとってブランド構築が難しいという特徴を持っている。トレンドExpressはその中でも、既に事業モデルを構築しており、大手ブランドにおいて実績を持っていることは大きな強みだろう。今回の資金調達がさらなるグローバル成長に繋がり、日本ブランドを「国境の先」へ導くことが期待される。

ECのミカタ通信23号はこちらから


記者プロフィール

ECのミカタ編集部

ECのミカタ編集部。
素敵なJ-POP流れるオフィスにタイピング音をひたすら響かせる。
日々、EC業界に貢献すべく勉強と努力を惜しまないアツいライターや記者が集う場所。

ECのミカタ編集部 の執筆記事