約8割が通販サイトからのメッセージにストレス 顧客の意向に沿ったメール配信のポイントとは?

ECのミカタ編集部

【メールに関する意識調査 第二弾】約4割の受信者が「迷惑メール報告手続き」を実施すると回答。受信者の意向に沿ったメール配信を行うためのポイントとは

株式会社リンク(以下:リンク)は、メールが与える影響や受信者の行動を調査するため、昨年に引き続き「メールに関する意識調査第二弾」を実施、結果を公表した。本記事では一部内容を抜粋して紹介する。

調査概要

◆調査方法:インターネット調査
◆調査主体:株式会社リンク
◆調査期間:2023年10月20日〜2023年10月23日
◆調査対象:企業や店舗からのメッセージや情報を、メールサービス(プラス他の方法も可)で受信している方
◆調査対象地域:全国
◆回答数:1200人(※1)
◆出典:株式会社リンク調べ
※1:15〜19歳、20〜29歳、30〜39歳、40〜49歳、50〜59歳、60〜69歳×男女にて均等割り付け

Gmail利用者の割合が約66%

全年代を通じて最も利用されているメールサービスはGmailで、全体の66%が利用しているという結果に。

Gmailは特に10代・20代での利用率が高く、それに次いでiCloudメールの利用率が高い状況。それに対し中高年層ではiCloudメールの利用率が低く、Yahooメールの利用率が高いといった対照的な傾向が確認できる。

一方、中高年層ではiCloudメールの利用率が低く、Yahooメールの利用率が高いといった対照的な傾向が見られる。

メールを閲覧する時間帯は「18〜21時台」が全年代を通じて最も多く、閲覧に使用するデバイスについては「スマートフォンだけで閲覧する」という回答が多数を占めた。ただし、こちらも年代・性別のクロス集計を確認すると、それぞれのライフスタイルに由来すると思われる差が見受けられるだろう。

約8割が通販サイトからのメッセージにストレスを感じている

通販サイトなどから送られるメッセージについて、約8割が「ストレスを感じたことがある」と回答。「あまりない」「ほとんどない」については、合計して約2割程度と、ほとんどのユーザーがストレスを感じている傾向が明らかになった。

また、最もストレスを感じることは「自分には関係がない/購入する可能性がない商品を勧められる」がトップ。次に「欲しくないと感じる商品・サービスを勧められる」が続いている。

通販サイトからのメールについては、約7割が「配信停止の手続き」をすると回答。「ブロック/受信拒否手続き」は約5割「迷惑メール報告手続き」は約4割が実施することが判明した。

それらの対応をする理由としては「同じ企業や店舗から頻繁にメールが来すぎるため」と回答した数が一番多く、次に「自分には関係がない/購入する可能性がない商品の情報が送られてくるため」が多い状況となった。

重要なメールが届かない場合、約8割がネガティブな印象を抱く

登録確認・申し込み確認など、企業や店舗において重要となるメールの到達状況に関して、約2割が届かなかった経験があると回答。メールが届かなかった場合「そのまま放置」と回答した割合が45.6%と最も多い結果となっており、トラブルや機会損失を生む可能性が高い状況になった。

また、重要なメールが届かなかった場合、約8割が企業やサービスに対し何らかネガティブな印象を抱くことがうかがえた。企業やサービスに対してネガティブな印象を抱いている場合、ブロック/迷惑メール報告をする傾向が前掲の設問で見受けられていることから「メールが届かない」ことによる悪影響が懸念される。

メール「送付後の運用」がより重要となるか

現在、事業者と顧客を繋ぐツールはメール・LINE・Twitter・Facebook・Instagramなど多様化している。フィッシング詐欺やサイバー攻撃などメールによる脅威が高まる中、Googleは「メール送信者のガイドライン」の強化を2024年2月以降に予定。メール送信者はガイドラインに対応し、より受信者の意向に沿ったメール配信が求められるようになる。

本調査結果について、リンクのベアメールサービス責任者である菱沼憲司氏は、以下のようにコメントしている。

「各メールサービス事業者はなりすまし被害を抑止するために、新しいメール認証技術である『DMARC(※2)』の導入を強く推進しているのです。DMARCの導入必須化については、Gmail宛に1日5000通以上配信する送信者という条件が設けられていますが、目的がなりすましメールの抑止であることを考えると、近い将来送信者に求められる要件は更に厳しくなることが予想されます。そのため、配信通数に囚われずメール送信者(一般企業含む)は早いタイミングでDMARCに対応していくことが重要になるでしょう」。

菱沼氏は顧客が不快に思うメールは必ずしも怪しいものではなく「受信者から見て不要なメール」だと指摘する。そのため、顧客が必要となる情報を、適切な頻度で送信することが重要だと続ける。

今後はメール送付前だけではなく「送付後の運用」も重要になるだろう。顧客とのタッチポイントを活かし、効果的な運用を実現するためにも本調査内容は重要な資料となるはずだ。

※2:Eメールに関わる主要な組織によって策定され、2012年2月に発表された送信ドメイン認証技術


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