メルカリ2024年第2四半期決算情報 各事業の着実な成長及びグループシナジーの創出により、過去最高の売上収益を達成

ECのミカタ編集部

メルカリ決算情報

株式会社メルカリ(以下:メルカリ)は2024年2月13日、本年6月期の第2四半期決算情報(連結)を公表した。

連結決算では過去最高の売上収益を達成

2024年6月期の第2四半期の進捗、ハイライトについては以下の通り。

◆連結での状況
▷各事業の着実な成長及びグループシナジー創出の結果、過去最高の売上収益を達成
▷将来成長に向けた投資を行いつつ、収益とのバランスを意識した経営を行った結果、概ね想定通りのコア営業利益を計上

◆マーケットプレイスについて
▷ロイヤルティプログラムや強化領域(越境取引、カテゴリー強化、BtoC)等の施策が貢献

◆フィンテックについて
▷「メルカード」への投資強化により、発行枚数は250万枚を突破(※1)

◆アメリカ市場について
▷MAU(Monthly Active Users)は前四半期比で2四半期連続の増加
▷インフレをはじめとする外部環境の影響で購入の鈍化傾向が続く

※1:2024年1月3日時点

第1四半期に続き前年比でも大きく成長

売上収益は481億円と過去最高を達成し、コア営業利益は概ね想定通りながら第1四半期に続き前年比で大きく成長した。

出典:メルカリ決算説明資料

一方、さらなるシナジー創出を目的とした「メルカード」ユーザ獲得投資の増加や、スポットワーク事業における段階的な投資の増加を見込むことから、通期での前年比増益は想定していない。

上期では需要期に合わせたマーケティング投資、プロダクト進化の両軸に注力してきた。特に、カテゴリー強化等の強化領域において中⻑期の成⻑を⾒据えたUX改善を推進したことが「流通取引総額」成長に貢献した。

出典:メルカリ決算説明資料

一方、アメリカ市場においては長引くインフレをはじめとする外部環境の影響によって購入の鈍化傾向が継続。しかし、効果的なマーケティング施策によって、MAUは前四半期で2四半期連続の増加となった。また、厳選した投資を継続し、筋肉質な経営を推進したことで調整後営業損失は前年比で大幅に改善された。

出典:メルカリ決算説明資料

メルカリは今回の結果を受けて、売上収益に対する明言はしていないが、マーケットプレイスにおける通期目標値である30〜40%の調整後コア営業利益率に変更は無いとしている。2024年第2四半期では営業利益率37%と高い収益性を実現していることから、今後もプロダクト施策を主軸としながら継続した成長が期待できるはずだ。

下期へ向けた施策

2024年下期の施策、考えについてメルカリは以下のように公表している。

◆連結
▷中長期の成長を見据え、更なるシナジー創出を目的とした「メルカード」ユーザの獲得
▷スポットワーク事業における段階的な投資の増加を見込むため、通期でのYoY増益は想定せず

◆マーケットプレイスについて
▷規律のあるマーケティングを継続しつつ、強化領域を中心としたプロダクト施策を推進
▷スポットワーク事業は、2024年初春のサービスローンチ以降、成長を後押しすべく段階的に投資を行う

◆フィンテックについて
▷「メルカリ」内ARPU(1人当たりの平均売上金額)向上等のグループシナジー創出が拡大していること、および、新生活の需要に合わせて「メルカード」ユーザ獲得に向けた投資を一層強化
▷下期の投資額は上期と比較して増加を見込むため、今期は調整前コア営業赤字を想定

◆アメリカ市場について
▷厳格な費用のコントロールを継続する方針のため、上期と同等の調整後営業利益水準を想定

メルカリは説明会質疑応答において「『メルカード』はストック型ビジネスであることから、ユーザー数獲得を進めることが先決である」と述べている。2022年11月のローンチ移行、順調にユーザー数を伸ばし続けており、すでに発行枚数は250万枚を突破。今後も積極投資による伸長が期待できる「メルカード」の動向、およびメルカリサービスの拡充に注目だ。


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