【調べてみた】旅の予約時、ECが旅行会社を上回った?

ECのミカタ編集部

「旅行」は、頑張った自分へのご褒美や、気分転換や、大切な人と楽しい時間を共有する、そんな絶好の機会となる。それは、かけがえのない思い出となり、未来の自分を笑顔にする力を持っている。この【旅×EC】シリーズでは、そんな“旅の体験”を、ECならではのやり方で提供しているサイトを紹介していく。

今回は、【旅×EC】に関するアンケート調査を実施したため、それをまとめていく。

何でもECで済ませる現代。旅の予約もECか?

 旅に関するECは様々あるが、実際に利用している人はどれくらい居るのだろうか。少し前までは、旅行会社を通して計画を立てて旅をしていたものの、最近ではEC上で計画から予約まで済ませてしまう人が増えてきた。その真相を調べるため、旅に関するECの利用方法に関して、20名にアンケートを実施した。

【質問項目】
<共通質問>
・これまでに旅行したことがあるか

<旅行したことがある人への質問>
・一年に何回くらい旅行するか
・今までで最も思い出に残っている旅行先はどこか
・何を目的として旅行に行くことが多いか
・旅行を決める際に何を参考にするか
・旅行の計画を立てる際に何から決めることが多いか
・旅行を予約する際、何を利用するか

<ECで予約をする人への質問>
・旅行の予約時、よく利用するサイトは何か
・ECを利用して困ったことは何か
・ECを利用して嬉しかったことは何か
・予約時、ECに望むサービスは何か
・今後もECで予約するか

<旅行先の思い出>
・最も心に残っている思い出は何か
・失敗した苦い経験はあるか
・次回はどこを旅行したいか
・今年は何回くらい旅行する予定か

<旅行したことがない人への質問>
・旅行しない理由は何か
・旅行しない理由が解決したら、旅行をしたいか
・旅行をするとしたら何を参考にするか
・旅行をするとしたら何から決めるか
・旅行をするとしたら何を利用して予約するか

旅の目的は、やはり「観光」?

旅の目的は、やはり「観光」?

 調査結果は、まず、「これまでに旅行したことがあるか」の質問に対し、19名が「ある」(95%)と回答し、1名が「ない」(5%)と回答した。続いて、旅行したことがある人に「1年間で旅行する回数」を聞いたところ、「1回」と回答する人が47.4%と最も回答が多かった。それに次いで「2回」が26.3%、「3回」が15.8%となった。また、その中には、「10回」という回答もあり、やはり、旅が好きな人はそれ程多く行っていることが判明した。

 さらに「旅の目的」として、「観光」や「ショッピング」、「美味しいご飯を食べるため」、「のんびりするため」が挙がった。その中でも「初体験」を目的とする人も居て、通常では味わうことができない“体験”を求めて、旅をしていることが分かる。それが旅の醍醐味であり、思い出となっていくのだ。

旅の予約時に使うECの1位は「じゃらん」

旅の予約時に使うECの1位は「じゃらん」

 旅を決めるときに参考にするものとして、最も多い回答が「WEBサイト」(61.1%)であった。次いで、「旅行の本」が55.6%と僅差であり、以前は旅行の本の需要が高かったが、WEBサイトが追い越した。やはり、身近にあるパソコンやスマートフォン等を使って情報を得る人が増加しているのだ。その他の回答として、「テレビからの情報」(15%)、「口コミ」(15%)が挙がった。

 また、「計画を立てる際に何から決めるか」の質問に対し、「行き先」が66.7%と最も多い結果となった。次に「体験」(5.6%)と続き、やはり、「行き先」から先に決める人が多いようだ。とはいえ、「体験」から決める人も居るため、この【旅×EC】で紹介したようなサイトの需要が高まりつつあることが分かる。

 さらに、旅の予約に関しては、「ECサイト」が64.7%、「旅行会社」が35.3%となった。ついこの間まで「旅行会社」で予約することが多かったものの、近頃では旅に関するECサイトが豊富にあるため、手軽に予約できるECサイトを選択する人が多いようだ。ちなみにサイト名では、「じゃらん」(61.5%)が最も多かった。その他に、「楽天トラベル」(7.7%)、「Yahoo!トラベル」(7.7%)、「JTB」(7.7%)が挙がった。

ECならではの方法で顧客を喜ばせる

ECならではの方法で顧客を喜ばせる

 ECサイトを利用している時に「困ったこと」に関して、「プランが多く、違いが分かりにくい」や「フライト時間などが未定のことが多い」、「予約の際に、ホテルの公式サイトの空室状況と差があること」が挙がった。より多くの人に旅を楽しんでもらうために、プランを多数用意する。それを喜ぶ人も居る反面、困ってしまう人も居る。全ての人に喜んでもらうために、プランの違いや見せ方を工夫することが大切なのかもしれない。

 一方、「嬉しかったこと」は、「旅行会社よりも安い」や「ポイントが貯まりやすい」、「宿などの解説が見やすい」などの回答が目立った。さらに、「直前のキャンセルができる」も挙がり、これはECだからこそできるのではないだろうか。もちろん、全てのECができるわけでもなく、キャンセル料が発生することがほとんどだが、わざわざ店舗に行くことなく、ネット上でキャンセルできることが大きいのではないだろうか。

 さらに、「追加して欲しいサービス」は、「地図上で目的地にピンを立てて、全行程のルートを表示」や「近隣の観光地やご飯のお店を知りたい」が挙がった。また、近頃流行り出している「VR」という回答もあり、旅に行く前にあらかじめ街を見ておきたいという人が多いのだ。ちなみに「VR」とは、実際に存在しない空間を創り出すことであり、黒いゴーグルのようなものを覗くと、見たことがないような新しい世界が広がるのだ。

 また、今後のECサイトの利用に関しては、「する」が92.3%と9割を超えた。やはり、情報が豊富の上に、手軽に予約することができることからECサイトは人気のようだ。

本調査から見えるEC戦略は次のページへ!

海外旅行に欠かせない「治安問題」の情報を!

海外旅行に欠かせない「治安問題」の情報を!

 本調査では、旅の思い出を語ってもらった。まず、「思い出に残っている旅行先」として最も多かったのは「北海道」である。次いで、「沖縄」や「ヨーロッパ」、「韓国」、「オーストラリア」等が挙がった。国内から海外まで幅広く旅をしていることが分かる。

 さらに、「最も心に残っている思い出」として、「スカイダイビング」や「今までにしたことがない体験をしたこと」、「グアムの海が綺麗だった」や「ご飯が美味しかった」などが多く挙げられた。その他に、「母と一緒に行ったバレエ鑑賞」や「家族がより仲良くなれる」など家族との絆が深まったエピソードも多々あった。

 一方、「失敗した苦い経験」に関しては、「飛行機が欠航になった」や「格安プランで飛行機があまり快適ではなかった」など想定外の出来事を挙げていた。また、「実際には治安が悪く、怯えながら過ごしていた」の回答もあり、海外を旅する時に心配な治安問題をもっと丁寧に伝えることの大切さが分かる。大切な顧客を守るためにも、治安問題に関しては正確に伝えることが顧客を安心させることに繋がる。

 その他に、「今年の旅行回数」を尋ねたが、「1~3回」が94.7%と最も多かった。その旅先に関しては「沖縄」が多く、次いで「北海道」や「京都」、「ハワイ」、「オーストラリア」が挙がった。今年も半年が過ぎ、残り少なくなってきたが、出来る限り旅に出たい人が多いことが分かる。

 なお、本調査で「旅行したことがない」と回答した人が1名居たが、その理由は「忙しい」からだ。この忙しさから解放されたら「旅行したい」と望んでいた。また、もし旅行する場合は、「口コミ」を参考にし、「行き先」から計画を立てたいそうだ。さらに、旅行を予約する際には「ECサイトを利用したい」と回答した。忙しさの中でも、少しの時間で楽しめる旅をECサイトで提案をすると、もしかしたら旅をすることができるかもしれない。

本調査から見えるEC戦略とは

 今回の調査で、旅の予約でさえもECサイトの利用が高いことが判明した。それに伴い、旅に関するECサイトも次々と増えていくことが予想される。そのようになると、今度は「どのECサイトを使えば良いか」を悩む顧客が出てくるだろう。そういった状況の中でも、より多くの顧客に利用してもらうために、自社にしかないサービスや接客をすることが数々のECサイトに埋もれない一つの方法である。

 これは、旅に関するECサイトに限らず、全てのECサイトに言えることだ。ECを利用する顧客は、数多くのECに行き、自分が欲しい情報が掲載している所や接客が良い所に留まるケースが高い。やはり、情報が豊富で分かりやすいと「知りたい情報が分かった!」と嬉しくなり、また、丁寧な対応をすると「接客が良いからずっと利用し続けよう!」となるだろう。

 例えば、「問い合わせだけはどのECサイトよりも負けない迅速さ」や、「情報を豊富に掲載していてもシンプルな情報だけで見やすい」など施策を練る。このように自社にしかない強みを持っておくと、今後、ECサイトが増加していっても埋まることがない、人気のECサイトとなっていくはずだ。


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