世界初!kabukiペディアの会話機能付きVRショッピング

利根川 舞

中央:株式会社KABUKI 代表取締役CEO 大城 浩司氏

7月27日、渋谷にてVR上でショッピングができる、世界初の会話機能付きVRショッピングサービス「VR Shopping with Voice Chat」についての記者会見が行われた。

遠方の友達と会話をしながらVRショッピング!

 株式会社KABUKI(以下「KABUKI社」)が運営するメディア型ECモール「kabukiペディア」において、VR上でショッピングができる、世界初の会話機能付きVRショッピングサービス「VR Shopping with Voice Chat」を8月から随時提供を開始することを発表した。

 「kabukiぺディア」はEC事業者のECサイトへ記事コンテンツをフックとして国内外からのユーザーを集客するサービス。イメージとしては、楽天市場やYahoo!ショッピングのような、EC事業者が各々記事を作成していく、モール型のメディアだ。

 今回発表された「VR Shopping with Voice Chat」は専用アプリをダウンロードしたスマートフォンと、VRヘッドセットを利用し、VR上でファッションショーや展示会などの疑似鑑賞を体験しながら、気に入った商品をそのまま購入できるサービスだ。また、遠方にいるユーザー同士で会話をしながらショッピングをすることができる世界初の会話機能を搭載している。

 また、「VR Shopping with Voice Chat」は「kabukiペディア」とも連動し、「kabukiペディア」を通して商品を購入することができる。ただし、「kabukiペディア」にはカート機能がないため、Amazonの決済とAPI連動する形になっており、順次他のモールの決済APIとも連動を進めていくようだ。

これから進む、VRを活用したショッピング

これから進む、VRを活用したショッピング

 VRを利用したショッピングといえば、リアル店舗ですでにIKEATOMMY HILFIGER、伊勢丹新宿本店メンズ館などで導入されており、実際に来店した消費者に対してVR体験を提供している。また、EC通販業界においては今年5月にeBay(イーベイ)が世界初の「VR百貨店」を立ちあげた。

 そういった中で会話機能を備えた「VR Shopping with Voice Chat」をリリースした理由として、KABUKI社代表取締役CEOの大城浩司氏は次のようにコメント。

 「どうしたらお客様に楽しんでいただけるかを考えた時に、昔はデパートやスーパーなどで楽しんでいたと思うのですが、今、インターネットの普及、サービスの向上によって”楽しむ”ことを忘れてしまっているのではないでしょうか。」

 だからこそ、インターネットショッピングであっても誰かと一緒に楽しむことのできる会話機能を搭載しているのである。

 また、ここでポイントなのが近年、VR技術も発展しており、様々なVRヘッドセットが発売されているが、「kabukiペディア」ではスマートフォンと1000円から2000円程度で購入できるVRヘッドセットがあればサービスを利用できるという点だ。

 「VIVE」や「オキュラス」など高機能なVRヘッドセットも存在するが、そうしたものは値段も高いため、購入する人の割合というのは少なくなってしまう。しかし、高機能ではないといえども、スマートフォン型のVR技術は日々進化しており、まずはスマートフォン型で多くの人に体験して欲しいという願いが込められているのだ。

 大城氏は言う。「多くの方に楽しんでさえいただければ、きっとスマートフォン(のVR技術)も進化して参りますので、まずはスマートフォンで実現したところを楽しんでいただければと思います。」と。

体験してみた!「VR Shopping with Voice Chat」

体験してみた!「VR Shopping with Voice Chat」左:VR映像内のファッションショーの様子
右:VR映像内の商品詳細ページ

 記者も実際にVRヘッドセットを利用して「VR Shopping with Voice Chat」を体験してみた。

 画像の右がVRヘッドセットを利用して見たファッションショーの様子。VRなのでもちろん360°見渡すことができる。このVR映像で特徴的なのが視界の真ん中に白いポインタだ。そのポインタがマウスの代わりの役割を果たしている。

 ファッションショーのランウェイには「Select」ボタンがあり、そのボタンに焦点を合わせると画像右の商品詳細画面へと移る。この詳細画面にはマネキンをぐるぐると回すボタンや拡大・縮小ボタン、ファッションショー会場へ戻るボタン、ショッピングカートに入れるボタンなどがあり、そこに焦点を当てることで移動できる。

 また、会場ではイヤホンを利用して会話をすることもでき、会場内も盛り上がりを見せる。

 先に挙がったVRヘッドセット「VIVE」を使ったVRも体験してみたが、確かにリモコンを使ったりすることができるなど、高機能ではあるが、スマートフォンを利用したVRでも十分に楽しむことはできるだろう。


 これまで何回かVRが盛り上がったタイミングがあったが、今年こそが”VR元年”なのではないかと大城氏は語るが、2016年だけでも多くのサービスがリリースされており、日々技術も進化している。

 「kabukiペディア」ではVRだけでなくAIを使ったサービスも提供しており、時代の先端を走っていると言っても過言ではないだろう。

 しかし、「kabukiペディア」で大城氏が大切にしているのは、低価格なVRヘッドセットを利用できることや、「kabukiペディア」の出店料が無料であることなど、誰にでも”チャンス”を提供することなのではないだろうか。

 最先端の技術というと、手の届かないものというイメージを持つ方も多いかもしれないが、今後は「kabukiペディア」が最先端技術とEC通販業者の橋渡しの役目を担っていくに違いない。


記者プロフィール

利根川 舞

メディア編集部
ロックを聴きつつ平安時代に思いを馳せる文学人間。タイムマシンができたら平安時代に行きたいです。
ライブハウスやフェス会場に出没しては、笑って、泣いて、叫ぶ姿が目撃されている。ACIDMANや10-FEET、ROTTENGRAFFTYが大好き。

サービスやその場の雰囲気がイメージしやすくなるような記事を書いていきたいと思います。

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